ikepyonのだめ人間日記

セキュリティに関することを書いていく予定。

なんか界隈ではやってるようなんですが、シンクロニシティ
あほな頭で今日も考えてみる。

技術者の価値

h-fujitaさんの意見

その根底にある基礎を知るのも大事ですよね、、でも、それよりももっと問題なのは、技術者が持つ技術に対する価値を顧客が認めないことではないでしょうか。特にこの業界はひどいですよね。匠という人がいるわけでもないですし。そして「どうすればよくなるか」ということを考える余裕すらなくなってるのが現実ではないでしょうか? そんなものの前に「コスト」だ、「時間だ」とかいわれては。そうすると、おのずと楽な方に流れる、というより、そうしないと食べていけない、それが現実でしょう。
技術者として、社会的な評価が高いのは、伝統工芸と医者だけですよね。そういう状況では、このお寒い状況はずっとつづくでしょうね。

いやぁ最もです。で、技術者がこれほどまでに軽視されている現状を嘆いていても仕方が無いので、その理由をへろへろーと考えてみる。
まあ、その為に、伝統工芸と医者が軽視されていない理由というのを考えてみるのが一番近道ではないかと思うのです。

まずは伝統工芸が軽視されていない理由って何かと考えると、まあ端的に言って歴史の重みってやつではないかと。伝統工芸は、その長い歴史の中で匠以外の人に対してその価値を認めさせてきたと思うんです。その結果として今の地位がある。
その間どれだけ大変だったか分かりませんが、商人やら、お上やらに搾取されることが多かったのではないかと。
搾取され続けようと愚直にこつこつ何代も続けて今や貴重になってしまった上に最近の風潮でその伝統工芸の価値が認められるために伝統工芸の職人さんは認められているのではないかと。

一方、医者は何故認められているかというと、明確に医者とそれ以外で出来ることの差が分かるからだと思います。医者以外が病気や怪我で人が死に掛けている人を治せるかというとそういうわけではないし(いや最も何とかなる場合もあるけど命を預けるのはちょっと不安でしょ?)。
それに、医者が出来ることに期待する結果と現実の結果とのギャップが少ないことも大きいかと。実際に永遠に生きる人などというものは存在しないわけですし、いつかは死ぬわけだから期待する結果と現実の結果は実はそれほど大きく乖離するわけではないということがみんな分かっているんだと思います(最も、最近のがきんちょは死んでも生き返るとか思っているのが増えているらしいから今後はどうかは分からないけど)。

まあ、こういったことが理由かなぁとあほな頭で考えてます。

ではこれらと比べてIT技術者ってどうなのか考えてみる。
まず、歴史がない。なんといっても高々数十年。実用的に一般に使われだしたのは三十年もないんでないの?だからそんなに重要性って一般人に感じられてないのでは無かろうかと。

また、PCがここまで普及したし(これはこれである意味いいことなんだけど)、インターネットも身近に重要インフラとして使われている。普及しちゃったらしちゃったで簡単でないといけないから、当然「システム構築も運用も簡単なんじゃないの?」という誤解が蔓延してるのではないかなぁ。だからどんなに難しい要求でも簡単にできると勘違いしているのではないかと思う。つまり、技術者とそれ以外ではある要求に対して感じる難易度が決定的に異なっているのだろう。
一般人はITを使えば何でも楽になるという幻想を持っているものと思われる。映画などのコンピューター技術の扱いを見てみればそれは一目瞭然だ。映画の主人公はキーを2,3打つだけでいとも簡単にインターネット経由で敵の重要機密情報を気づかれずに盗み出すし(無理だって普通はそんなの。相手も諜報組織なんだから馬鹿じゃないんだし)、電源の入っていない電話線につながったPCにインターネット経由で接続できるし(まあ無理じゃないけど、普通そういう状態に設定されてないって)、全くコードがわからない異星人のコンピューターにウィルス仕掛けて乗っ取ってしまう(どうやってコード書くっちゅうねん。ましてや脆弱性がなけりゃウィルス送り込んでもコード実行できないし)。そういうのが誰でもできると思っているのじゃないの?
とまぁこういう具合に一般人はITというものに過大な期待を寄せてるんだと思う。現実のIT技術者が「これはできません」、「それもできません」なんて言うもんだから、こいつら使えねぇと思ってしまうのではないのかな?そういう風に思っているからほんとはすごい技術者が来ても奴隷のようにしか感じてないのかもしれない。だから、「コスト下げろ」だとか、「もっと早く作れや」とか言うのだろう。こっちだって魔法使いじゃないんだからそう簡単にはいかないって。
そんなわけで、一般人ができると思っていることができない技術者が悪いということ(ほんとは要求が難しすぎるのに)になってよりいっそう地位が低下するという悪循環に陥っているんじゃないかと思う。

どうすりゃいいんだろう?

ってことになるのだが、IT技術者の地位が低い理由はたぶんわかっている。期待していることができないからだ。というか一般人からはIT技術者なんだからできて当たり前、できなきゃゴミと思われているんではないか?そしてその本人たちは自分が要求していることがあまりにも高すぎるということがわかっていない。

これを何とかするにはワカランちんの一般人を教育するしかない。そのためには、ワカランちんにもわかるようにわかっている人が教えるしかないのだけどこれがまた難しい。
まず第一に、わかっている人には「わからない人がなにをわかっていないのか」ということを理解することが難しい(まあ、これは私だけのことかもしれないけど)。でも、これって結構多いと思う。本当にものをわかっていない時は質問すら思い浮かばないということがあり得る。わかっている人は教えたことに質問がない=相手が理解したと勘違いすることが多々ある。当然質問がなければ理解していることもあるのだけど、それだけじゃないということを教える人は常に頭に入れとか無いといけない。
加えて相手にものを教えるには教えることをきっちり理解しておかないといけない。教えることをきっちり理解するには基礎がしっかりできていないと生半可な理解しか得られない。だから、地味だけど基礎をしっかり理解することが大切なのだと思う。

一方、ワカランちんというのは得てして勉強したがらないし、難しいことは考えたくないことが多い。説明がうまくないために理解してほしい人に理解してもらえないことがあるのが問題ではないか?
つまり、ただ教えることをきっちり理解している(これが大前提なのだけど)だけではだめで、相手にわかりやすく説明できないといけない。多くのIT技術者(私も含めて)はこの説明がうまくない。だって、今まで機械相手に0,1で会話していたのだから当然だろう、そういう訓練してないんだし。この部分を何とかしない限りたぶん地位が低い状態が長く続くんじゃないだろうか?

多くのIT技術者がわかっていない人にも物事をわかりやすく教え、説明することができれば世界はがらっと変わるのではないかなぁ。少なくとも、はったりではなくきちんと説明のできるIT技術者になりたいと思う今日この頃。