ikepyonのだめ人間日記

セキュリティに関することを書いていく予定。

いろいろあるけど、とりあえずここで
http://slashdot.jp/article.pl?sid=04/02/04/0531248&topic=92
しかし、なんで業務威力妨害なのだ?不正アクセス行為禁止違反は百歩譲ってまあ認めよう(あまり認めたくないものだが)、でも業務威力妨害ってなんでやねん。サイトにセキュリティホールがあってそれがわかっててもサイトの公開を止めさせるような忠告をするのは業務妨害ですか。では利用者はずっと泣き寝入りしろってこと?セキュリティのセの字も知らないような人たちにとってはいい世の中になったなぁ。
とはいえ、脆弱性情報の公開方法に問題があったのは疑いようもない。この点については罪になっても仕方がないといえる。従って不本意ではあるが不正アクセス行為禁止違反はある意味妥当とはいえると思う。

だが、この一件で一番問題となるのは、企業が業務として脆弱性調査サービスを行うのは契約で守られるためよいとして、一個人がたまたま脆弱性を発見した場合であろう。今後誰かがどこかのサイトの脆弱性を発見しても、ほとんどの人は報告をしないだろう。
脆弱性を発見してそれをサイトに報告することは逮捕されるという前例を作ってしまったのはインターネットがますます重要インフラとなる今後にとって大きなマイナス点となりうると思われる。
すべてのインターネットサービス提供者が脆弱性調査サービスを受けてきちんと管理していれば問題ないが、未だにセキュリティ対策=コストという意識が高いところが多く、ほとんどのサイトでセキュリティ対策がなされていない。そういったサイトの脆弱性を見つけ報告して、修正を促し、インターネットのサイトのセキュリティを高めるのは数多くの個人の力だと思う(もちろんこれを嫌がる組織、個人は居るのだが)。それが今回の件でほぼ無くなると思えるから、安全だと思っているのはサービス提供者ばかりで、裏ではいろいろやり放題ということになりかねない。
どうやら、この国では臭い物にふたをしておけば、臭いものはなくなると思っている輩が多いと言うことなのだろうか?
まあ、裁判で判決が出るまでこの件はしっかりチェックしておく必要があるなぁと思う今日この頃。

しかし、ほとんどのマスコミは彼が悪くて、脆弱性があるサイトを管理する組織は問題ないような表現になってるのはどういうこと?マスコミがジャーナリズムであるというのであれば、脆弱性のあるサイトが数多くあり、それが放置されているので今後これをなくすにはどうすればいいか?という問題提起をすべきではないのか?今回の事件はある意味初めて表に出てきた問題なのだから。